ほっじぽっじすてーしょん

広く浅い、多趣味野郎の時事録

片隅で感想文11:『君は月夜に光り輝く』

どうも。

特に言いたいこともない、わさびです。

 

さて、今日は3日間連続更新企画2日目

予定通り、

 

『君は月夜に光り輝く』

 

の感想文を書いてみます。

いつもだったら開幕の駄文を書き連ねるところですが……

 

 

ネタが無いよ!!

 

 

ということで、早速本題。

行くぞオラァッ!!

 

君は月夜に光り輝く

 f:id:wasabiwasabi:20170520223845j:image

           ↑受賞作にのみ許された金帯が眩い……。

 

はい、というわけで。

今回感想文を書くのは『君は月夜に光り輝く』です。

今作は第23回電撃小説大賞『大賞』受賞作であり、作者である佐野徹夜先生のデビュー作でもあります。

 

では、いつも通りあらすじから。

 

姉が亡くなってから無気力に生きている主人公・岡田卓也

高校に入学した卓也は、クラスメイトの中に入院中の少女が居ることを知る。

彼女の名前は渡良瀬まみず。『発光病』と呼ばれる不治の病に罹っていた。

ひょんなことから彼女の元へ見舞いに行くことになった卓也は、交流を深める中で『まみずが死ぬまでにしたいこと』を手伝うことを決める。

やがて訪れる死の瞬間を待つまみず。

生きる意味を見失いながらも生きる卓也。

瞬きのモラトリアムの中、2人は次第に惹かれあっていく。

 

……といった感じでしょうか。

 あらすじを見れば分かるかと思いますが、よくある難病モノです。

 

不治の病、恋愛

 

とくればおおよその結末は『奇跡が起きる!』or『悲劇』の二択なるわけですが、

 

『今作がどのような結末を迎えるのか』

 

というのはネタバレになりますので、いつも通り本記事では触れません。

あらかじめご了承ください。

 

発光病

 

 本作の設定で「良いなぁ……!」と思った要素の一つです。

ヒロインであるまみずはこの『発光病』を患っているため、入院生活を送っています。

 

『発光病』は本作独自の架空の病気。作中で治療法は確立されておらず、発症してしまうと致死率が高く、多くの場合は大人になる前に死を迎えてしまう

その名の通り皮膚が『発光』するようになるという特徴を持ち、月の光などを受けると肌が蛍光色の淡い光を放ち、症状の進行度合いによってその光は強さを増していく。

 

……というのがこの病気の設定なのですが、

 

非常に美しいです。

 

作中とはいえ、難病に対してこういった感想を持つのはなんだか不適切な気もしますが、本当に美しい。

ただ単に奇をてらった設定であれば「ふーん、すごいね」で終わってしまう所ですが、

 

画になる場面で、巧い事この設定を活かしている

 

という印象を受けました。

そういった意味では、昨日の記事で書かせてもらった『作者の作為』をひしひしと感じる設定ではあるのですが、これだけ巧く料理されてしまうとぐうの音も出ません。

この設定が効いているので重要なシーンが神秘的な趣を湛え、魅力的になっていたように思います。

天体観測のシーンはその最たるもので、巧いことまみずの境遇とリンクさせた描写になっていました。

 

……ちなみに、これはこの作品を読んで知った事なのですが、

 

現実世界でも、人体はホントに光っているらしいです。

 

もちろん、その発光現象は肉眼では観測出来ないほどに微力なモノなのですが……

(※詳しくはバイオフォトンでググってね!)

作中で『発光病』はこのバイオフォトンのバランスが崩れることで発症するという説明が為されていました。

 

物語の構成

 

コレに関しては、特筆するような部分は無いかもしれません。

緻密な伏線をばら撒いているわけでもないし、意外性に溢れた展開が起きるわけでもない。

良い意味で『順当』、言い方を変えると『テンプレ』

こういった難病モノの王道を歩む作品だったと思います。

 

こればっかりは個人の感覚の問題ですが、

 

正直、序盤を読むのは辛かった。

 

『話の内容がしんどいから辛い』というわけではなく、ただ単純に物語の整合性というか、展開の強引さが目立っていたような気がします。

またまたアレですが、『作者の作為』を感じました

なんというか、

 

「いやいや、そこまでしねぇだろ」

 

という場面が、とても多かった。

もちろん、主人公・卓也が抱えている内面を理解すると多少納得出来るような気はするのですが……うぅむ……。

そうして釈然としない部分に首を傾げていると、他作品のスラングまで飛び出してくるという状況で……。

序盤は相当読むのが辛かった印象。

 

まあ、前述の通り完全に個人の感覚の問題です。

あくまで『私は気になった』というレベルの話なのであしからず。

決してこの作品の魅力を損なうものではないです。

 

違和感を感じなくなった中盤以降は惹き込まれ、一気に読み進めてしまいました。

これも勝手な思い込みかもしれませんが、明らかに筆のノリが違う

それほどまでに中盤以降の描写は素晴らしかったです。

文体にクセが無く、非常に読みやすかったというのも、スッキリとした読み味に貢献しているように思います。

 

あとがき

 一応言っておきますが、私のあとがきではありません。

本作のあとがきについてです。

 

これを是非読んでいただきたい。

 

まあ、『作品を読んだ後であとがきを読まない』なんて人はまず居ないと思いますが、

 

本作に込められた想いの片鱗が、このあとがきに詰まっています。

 

……あとがきを読んだ限りでは、『中盤以降の筆のノリが違う』という感覚もあながち間違いでは無い気がします。

序盤はあくまで本質部分を描くための地均しであって、作者が本質の部分に向ける意識があまりにも強かったがために、序盤と中盤以降の温度差が目に付いてしまった……のかもしれません。

 

作者が作品にのせた想いを感じることが出来る、素敵なあとがきだったと思います。

 

「また、次の小説であなたと会えますように」(あとがきより抜粋)

 

こちらこそ。

また、お会い出来る日を楽しみにしています。

次回作も絶対に読みます。

 

 

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えー、というわけで……

案の定、雑な感想文になった感じは否めませんが、今回はこのあたりで。

 

『君は月夜に光り輝く』

 

大賞も納得の作品でした。オススメです!

 

そして明日は三日間連続更新企画の3日目。扱う作品は―

 

『いなくなれ、群青』

 

捨てられたモノたちが集うという、『階段島』。

穏やかな停滞に身を浸すその島の中で。

物語はどうしようもなく、彼女と出会った時から始まる―。

 

明日も更新頑張るぞい!

 

少しは期待してくれても……イイのよ!?

 

@今日は暑い、わさび