ほっじぽっじすてーしょん

広く浅い、多趣味野郎の時事録

片隅で感想文08:『恋する寄生虫』

こんにちは。

無気力MAXわさびです。

 

最近は

「なんで生きているんだろうなぁ……」

という答えのない問いを頭の中でループさせた後、ふて寝するのが鉄板パターン。

みんな大好きロックバンド、UVER worldの楽曲Fight For Libertyの冒頭では

 

「生きるという 全てのアンサー」

 

という歌詞が登場しますが、生きていることに『意味』など無く、生きているということ自体が『答え』そのものなのかもしれませんね。

 

……青臭い歌詞、大好きです

 

 

 はーい、本題いきまーす!

 

『恋する寄生虫著:三秋縋

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というわけで、前回の記事から約2週間ぶりの感想文です。

実は本作『恋する寄生虫も1週間以上前に読了していたのですが、別の記事を書いていたらモチベーションがゴリゴリと(ry

多少日が空いてしまったのでいつも以上にチープな感想文になる可能性大ですが、暇つぶしにお付き合いいただけると幸いです。

著者の三秋縋(みあきすがる)先生の作品は『三日間の幸福』を読んだことがあるのですが、本作も非常に私好みのラブストーリー

……なお、ラブストーリーと聞いて「甘々なスウィーツストーリー」を想像した方にはオススメできない作品だと思います。あしからず。(そもそもそんな人はこんなオタオタしいブログには来ないと思いでしょうけれど……)

 

まずはあらすじから。

 

とある事情で失業中の青年、高坂賢吾。

家に引きこもる傍ら、彼はマルウェア(PCウィルス)の開発に勤しんでいた。

しかし、インターネットにマルウェアをばら撒いたのも束の間、

和泉と名乗る謎の男に犯行が露見してしまう。

和泉は高坂の犯行を黙殺する代わりに、ある交換条件を付きつける。

「高坂賢吾。あんたには、ある子供の面倒を見てもらいたい。」

交換条件を受けた高坂と不登校の少女・佐薙ひじりの出会い。

2人は社会復帰と称した生活の中で次第に惹かれあっていく。

しかし、2人は知らなかった。

この恋が<寄生虫>によって仕組まれた恋だということをー。

 

ジャンルは前述の通りラブストーリー。

『三日間の幸福』もそうでしたが、内容としては若干暗めになっています。

華々しい成功の中に身を置く人物の話ではなく、平々凡々な日々を送る人物に劇的な変化が訪れる話でもない。

 

人生に失敗し、谷底のいき苦しさの中でもがく人々のドラマ。

 

この少し陰のあるストーリーが三秋先生の持ち味なのかもしれません。

作中の舞台となる季節、冬ならではの分厚い雲のかかったどんよりとした風景が、より一層いき苦しさに拍車をかけています。

 

「作風が似てしまうのは得意だからでは無く、それが作者のコンプレックスだからだ」

 

というのは、誰の言葉だったでしょうか。非常にリアリティのある筆致で描かれる、『外れてしまった主人公像』の中に、私はどうしても作者自身を感じずにはいられません。(勝手な思い込みかもしれませんが)

 

さて、今作ではタイトルにもなっている寄生虫が重要なポイントになっています。

ヒロインの佐薙ひじり寄生虫好きという設定もあり、作中冒頭部分からいきなり実在する『フタゴムシ』というロマンチックな寄生虫の説明から入ります。

 

寄生虫にロマンチックもクソもあるか!」

 

という声が聞こえてきそうですが、このフタゴムシは『あまりに出来過ぎている』生態を持った寄生虫なのです。

 

フタゴムシ詳しくはググってね!

雌雄同体(雄でもあり、雌でもある個体)でありながら、わざわざつがいとなる個体を探しだして終生交尾(一度交尾したら死ぬまで交尾し続ける)する寄生虫。さらに、フタゴムシは二人で繋がっていないと成長が出来ないという生態を持ち、一度つがいとなったら死ぬまで離れることはありません

そしてつがいになったフタゴムシは寄生虫というだけあって、とある生物に寄生するのですが、その宿主となる生物が『鯉』。

『鯉』=『こい』=『恋』 というわけですね。

さらに驚くべきことに、『こい』に寄生することが出来たフタゴムシは24時間以内に目玉を捨ててしまうのだそうです。まさしく『恋は盲目』

一度くっついたら離れず、『恋』に寄生し、盲目となって愛し合うー。

フタゴムシはそんなくそ激甘ロマンティック設定盛りだくさんの寄生虫なのです。(お腹いっぱいだぜこんちくしょう)

 

……とまあ、ほぼ作中説明の受け売りなのですが、これだけでも十分寄生虫に興味が惹かれるのではないでしょうか。『寄生虫』というグロテスク極まりない存在(個人的なイメージです)からの強烈なカウンターによって、忌避感がちょっとした神秘性を帯びてきます。冒頭部分にこのインパクトがあるため、寄生虫という題材を扱っているにも関わらず、読んでいて気味悪さを感じる事が少なかったように思います。作中の時系列としてはこの説明部分は中盤あたりの出来事なのですが、倒置して冒頭部分にこの説明を持ってきたのはこういった効果を狙ったものなのでしょう。

この『寄生虫』がどのように物語に関わってくるのか、というのはあえてここでは語りません。あえてね。

……まあ、なんとなく想像出来てしまうかもしれませんが。

具体的な事例なども交えて語られるため、ここらへんの描写は非常に説得力があったように思います。

 

前述の通り主人公の趣味はマルウェア製作なのですが、これについては「題材ありきの設定なのかなぁ……」という印象を受けました。人体に寄生する寄生虫PCに寄生するマルウェアを組み合わせることでテーマに一貫性を持たせようとしたのかもしれません。なので、物語の流れに合わせてあてがった要素、という印象が強かったです。

とある登場人物の言動も、どこか作為的な匂い(登場人物が物語を動かしているのではなく、作者が登場人物を介して物語を動かしている感覚)が消し切れていなかったように思います。

あくまで私自身の勝手な印象に過ぎないのですが、本作は『書きたいシーンが先行して存在して、そこから逆算する形で設定を組み上げた作品』なのかもしれません。

 

ここ最近読んだ作品だと『虐殺器官』、『MGS4』もそうなのですが、一口に感情の制御といっても、作品ごとに色々なアプローチがあるものです。『虐殺器官』では言語、『MGS4』ではナノマシン、『恋する寄生虫』では寄生虫だったわけですが。共通しているのは、感情はあくまで脳がもたらす機能の一つに過ぎないということ。これらの作品で語られているように、もし感情が外部からの干渉によっていとも容易く変化してしまうモノなのだとしたら、私たちの持つ感情、そしてそれらによって構築される自我はなんと不確かで曖昧なモノか。なかなか考えさせられます。

 

 

 

淡々と形作られていく、2人だけの内向的な世界。

消毒液の匂いで満たされた2人の空間は、息苦しく、儚く、そして美しい。

 

何から何までまともではなくて、しかし、それは紛れもなく恋だった。

(作中冒頭より抜粋)

 

失意に沈む彼らが求める幸福の在処

是非とも、自らの目で確かめてみてください。

読後に余韻の残る良い作品でした。面白かったです。オススメ!

 

 

↓以下(も)駄文↓

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……前々から思っていたんですが、

 

このコーナー、あまり感想文っぽくないな!

 

もう少し各キャラクターの心情に迫ったりしたほうが感想文っぽくはなると思うのですが、ネタバレの事を考えると少しばかり躊躇してしまうんですよね。

……ネタバレ禁止エリアとネタバレエリアに分けて記事を書いたりするのも面白いかもしれない(このとき、記事作成に掛かるカロリーは無視できるものとする)。

まあ、言うだけならただです。

気が向いたらそんな形式の記事も書くかもしれません。かもしれません。(大事なことry

あと、記事は書いていなかったのですが、積読崩し(境ホラ2巻下)をしたり、解釈不足の本(夜行)を読み直したりしているのでそこらへんの記事も書くかもしれません。かもしれまs(しつこい

また、ヒマな時にでも見ていただけると幸いです。

 

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

セイレンを見ていると「梨穂子はかわいいなあ!!!」しか言わなくなるわさび