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ほっじぽっじすてーしょん

広く浅い、多趣味野郎の時事録

片隅で感想文13:『タマラセ』

はい、またまた登場。

わさびです。

 

3日間連続更新だと言ったな、アレは嘘だ!!

興がのったので、4日目の記事更新!

 

……この記事をあげたら猛烈な燃え尽き症候群に見舞われそうな予感がしますが、まあその時はその時。

 

今回取り扱うのは(超個人的名作)ライトノベル

『タマラセ 彼女はキュートな撲殺魔』

 

前置きもそこそこに、さっそく感想文にいってみましょう。

 

タマラセ 彼女はキュートな撲殺魔

 

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          ↑学生鞄に無造作に突っ込んでいたため、カバーにダメージが…… 

 

なんだかキル〇ルを思い出すオシャレなカラーリング。

今作は第9回角川スニーカー大賞『優秀賞』受賞作

作者である六塚光先生のデビュー作です。

 

 

……ん?第9回?(現在開催されているのは『第23回』)

 

 

そう、本作はかなり昔の作品です。

どのくらい昔かというと、

私が白球を追うことに青春の汗を流し、その一方でお小遣いの大半をPS2の中古ゲーム漁りに費やしていた時代の作品です。

ひたすらに2000円前後の中古ゲーをTSUT〇YAで漁り、デビルメイクライ『MGS』といった名作シリーズを知る一方でグランディア3』モンスターファーム5』といった世間一般でクソゲー迷作と呼ばれるゲーム達と触れ合っていた時代……。

いやぁ……懐かしい。

そのうちこのあたりのゲームレビューをしても面白いかもしれませんね。

まあ、いつもの言うだけならタダというやつですが。(笑)

 

閑話休題

 

というわけで、青春真っ盛りの時に読んだ作品ということもあり、強烈な思い出補正が掛かっています。この時期には灼眼のシャナだとか『イリーガル・テクニカ』などのライトノベルも読んでいたのですが、その中でも『タマラセ』夏休みの宿題だった読書感想文の題材に取り上げたこともある黒歴史思い出深い逸品。

今回、本棚で眠っているのが目に留まり、久しぶりに読んでみようかと思った次第です。

 

まさかこんなオッサンになってから再び感想文を書くことになるとは……!

 

多分に思い出補正が掛かっている恐れがありますので、そのあたりはご了承ください。

 

ではあらすじを。

 

 舞台は東北の平磐市。

この辺鄙な地方都市で、最近『撲殺魔による連続通り魔事件』が話題になっていた。

至って普通の高校生活を送っていた主人公・三鶴城大介(通称三介)は、

ひょんなことから通り魔事件に巻き込まれてしまう。

驚くべきことに、撲殺魔の正体は隣に引っ越してきた同級生の八阪井夏月!

彼女は『霊体を物質化し、武器とする事が出来る』タマラセと呼ばれる能力者で、

平磐市で謎の増加を続けるタマラセ覚醒者を止めるためにやってきたのだった。

夏月に協力を依頼され、三介はタマラセ達の闘いに身を投じていく―。

 

といった感じ。

まあ、よくある学園異能バトルものですね。

霊体をどうこうっていうと某奇妙な冒険のス〇ンドとか、シャー〇ンキングのオーバー〇ウルが脳裏を過りますが、タマラセはそれらを足して2で割った感じの異能です。

『一般人には見えない』とか『謎エネルギーを糧にする』といった鉄板設定も存在。

こういった『世間に知られていない異能モノ』における最大の壁は『世間一般からどのように秘匿されているのか』という部分だと思いますが、本作は

 

『なんか記憶を消せる秘術がある』

『ある状態の敵を殺害すると光となって消える』(ゴルディ〇ンハンマーじゃないです)

 

といった方法でクリア。

 

……うん、けっこう雑!!

 

しかし、コミカルな作風と(思い出補正が)相まってそこらへんはさほど気にはならない印象。

 

さて、久しぶりに読んだわけですが、

 

やっぱり面白い。

 

思い出補正を抜いてもかなりの良作です。

では『どんな部分が好きなのか』という事を具体的に言語化してみたいと思います。

 

等身大の世界観

前述の通り、学園異能バトルもの』は世に溢れています。

 

普通の学生がある日突然力に目覚めるパターン。

稀有な異能を持っていて、その異能の専門学校に行くパターン。

なにかの事件に巻き込まれるパターン……etc

 

誰もが経験してきた&主な購買層が所属する『学園生活』という現実的なテンプレートをベースにすることで分かりやすくし、『異能』という非現実的な要素を加えることでドラマチックな彩りを加えるというライトノベルでは鉄板のスタイルの一つです。

しかし、この『現実的な要素』『非現実的な要素』のバランスを取るというのは非常に難しく、一度崩れてしまうと一気に物語の魅力が削がれてしまいます。

ここらへんは個人の匙加減だと思いますが、1つ例を挙げると、私は基本的に『中高生が世界レベルの危機と闘う』とかが苦手です。

もちろん、それも話の展開次第、魅せ方次第ではあるのですが、

 

いかに異能があるとはいえ、中高生がどうこう出来る世界ってどうなのよ?

 

という気分になってしまうんですよね。あまりにも非現実感が強すぎる。

自分自身がよりリアル寄りのオッサンになっているから、という理由もあるのかもしれませんが、一気に創りもの臭さが出てきてしまう。

このバランスを上手くとる、または思い切ってぶっ壊してしまうことが出来ている作品は面白い作品が多いように思います。

今パッと思いついた作品でいえば前述の灼眼のシャナはバランスがしっかり取れている印象があります。思い切ってぶっ壊している作品としてはガールズ&パンツァーあたりが分かりやすいでしょうか。

 

さて、ここで本筋に戻りますが、

 

『タマラセ』はこのバランスがしっかり取れている作品

 

だと思いました。

 

話の舞台が非常にコンパクト。ローカルな世界で完結している

 

『タマラセ』はあくまで東北地方でしか発現しない能力という設定で、舞台は平磐市。

他所の国から超絶凄い能力者が何故かやってくるとか、世界レベルの異能が主人公に宿るわけでもない。

タマラセの能力自体も基本的に地味。発現中は身体能力が上がるという設定はありますが、武器の形態は金属バットやら竹槍やらガスマスクなどなど。超ド派手な雷が出たり、炎が出たりといったことはありません。

問題が起こるのはあくまで主人公のテリトリーの中。それを解決するために奔走する。

 

これですよ。この非現実でありながら、どこかリアリティのある空気感がとても良い。

 

事件に巻き込まれた程度の中高生が世界規模の大活躍をするなんて、あまりにも非現実がすぎるってものです。

これは完全に私見ですが、中高生なんて基本的には自分のテリトリーを守るので精一杯なんですよ。そんな自らの精神的な不安定さで一杯の両手に、さらに世界を抱えさせるなんて、いくらなんでも酷じゃないですか

 

話は少し脱線しますが、ある日突然エヴァに乗れと言われ、世界の命運を背負うことになったシンジ君はその思春期ならではの不安定さを抱えながら、恐ろしい使徒たちと戦うわけです。

思春期ならではの面倒なアレコレ。そんな描写に力を入れるくらいだったら主人公の身近な人間を一回危機に陥れて「大切な人を守るために、僕が世界を救ってみせる!」とか言わせた方が無難です。

しかし、あの作品はその面倒な描写から一切逃げなかった。

だからこそ妙な生々しさがあって、非現実的な世界観とのバランスが取れていて面白いんですよね。

 

 コメディ要素

……なんだか脱線しまくったような気がしますが、気を取り直して。

 

本作は割とコメディ要素が強い作品です。

これも一歩間違えると寒いだけの要素に成り下がってしまうのですが、

 

大丈夫、こんなオッサンでも普通に笑えます

 

なんでしょう、テンポが良いとでも言えばいいのか。

今回改めて読み直すまでは「流石にもう笑えないかもな~」なんて思っていたのですが、普通に面白かったです。

 

ギャグセンスがあの頃から一歩たりとも進歩していない。

 

という恐ろしい可能性も一瞬脳裏をよぎりましたが、気にしない方向で。

そういえばボー〇ボも未だに笑えるんだよな……

 

そして、忘れてはならないコメディ要素の恩恵、

 

『細かい部分にツッコむ気が失せる』

 

も十分に発揮されています。

これは極端な例ですが、で〇じゃらすじーさんを読んで

「こんな骨格の人間いねぇよ!」

なんて言う人は、そうそう居ませんよね?(居ないとは言い切れない)

これと同じで、コメディ要素は物語のディテールをある程度煙にまく効果があります。

なので、前述の『記憶を消す秘術が~』とか『死体が消える~』といった御都合主義バリバリの設定が差し込まれてもさほど違和感を覚えませんでした。

 

かと思いきや、「気軽に読めばいいや~」なんて気を抜いていると、突然説得力のある設定がぶち込まれたりするんですよね……。

このあたりの緩急の付け方も面白さに貢献しているのかもしれません。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

4日連続と銘打っておきながらまた日付を跨いでしまったので、今回はこのあたりで。

 

いつも通り感想文を書いてみましたが、流石にあの頃とは違うテイストの感想文になりました。

宿題の読書感想文の時は

 

力はそれ自体が悪いものでは無く、扱う人間次第で善にも悪にもなります。

もし、僕がそういった力を手にしたなら、自らの欲求に負けず、善の使い方が出来るようになりたいと思いました。

 

みたいなことを書いた記憶があります。あやふやです。

 

今回の感想文に至っては、作品自体の内容に触れている部分の方が圧倒的に少ない気がしますが……きっと、気のせいですね(白目)

 

『タマラセ』はシリーズ作として全6冊が刊行(1冊は短編集)されています。

amaz〇nでみたところ、電子書籍化もされているみたいなので気になった方は是非とも読んでみてください。

軽快なテンポで小気味の良い文体。気軽に読めるライトノベルの名作だと思います。

あまりに久しぶり過ぎて3巻が見当たらない、というのが少しばかり不安ですが、また続きも読み直したい作品ですね。

ライトノベルの形式上、巻数が進むほどにネタバレ要素が強くなっていくので感想文は書かないと思います。物語がどんな結末を迎えるのかはご自分の目でお確かめ下さい。

 

何はともあれ、これで3日間連続更新、改め4日間連続更新企画も終了です。

お付き合いいただきありがとうございました。

今は完全に燃え尽き症候群に陥っているので、記事更新はしばらく停滞するかもしれません。

また思い出した時に覗いていただければ幸いです。

 

それでは、4日間お付き合いいただきありがとうございました。

次回更新内容&時期は未定です。

 

-最後まで読んでいただき、ありがとうございました-

 

@懐かしさ爆発、わさび 

片隅で感想文12『いなくなれ、群青』

はい、三日続けてこんにちわ。

挨拶の言葉すら満足に思い浮かばないわさびです。

 

まあ、別にいいか……

 

えー、思い付きで『半日下道300kmソロツーリング』をしてきたため、

 

非常に疲れています!

 

大体7時間の行程だったのですが、昼飯兼おやつを食べるためにコンビニに数分立ち寄った以外、ずっと走りっぱなし。

去年、同じようなツーリングコースで走った時はちょこちょこ停車し、休憩がてら写真を撮ったりもしたのですが……

 

今回はそれも無し!!

 

「何故俺は目的もなく走っているのか」とか、なんだか哲学じみたことを考えながら、一人で黙々と走り続けたわけです。

 

つまり、何が言いたいのかというと

疲れているので記事の内容がいつも以上にグダグダになっても仕方ないよね!

記事更新頑張りマス☆

 

では、早速いってみましょー!!

 

いなくなれ、群青

 

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というわけで、予定通り今日は

 

『いなくなれ、群青』

 

の感想文を書いてみたいと思います。

作者は……今気付いたんですが、今期アニメのサクラダリセットと同じ河野裕先生です。

図らずも流行に乗る形になった……のでしょうか?(笑)

第8回大学読書人大賞受賞読書メーター読みたい本ランキング1位など貫禄は十分。

『階段島シリーズ』と題し、シリーズ作が現在までに4冊刊行されています。

ちなみに……次巻『その白さえ嘘だとしても』の発売当時に、本作と合わせて2冊一緒に購入した記憶があるので、積読状態の作品としては中々の熟成具合。

 

こいつはくせぇ―っ!!熟成された積読臭がプンプンするぜぇーッ!!

 

……言ってみたかっただけ。

はい、あらすじ

 

 捨てられた人々の島、階段島。

いつ、どうやって、なぜこの島に来たのか、知る者は誰もいない。

大きな事件もなく、穏やかな停滞に満たされたこの島で暮らす主人公・七草

ある日、幼馴染の真辺由宇と再会を果たす。

 

『この物語はどうしようもなく、彼女と出会った時から始まる』

 

どこまでも純粋で真っ直ぐな少女は、島からの脱出を目指し、『階段島』の謎を追う。

その果てに、残酷な真実が待ち受けているとも知らずに……

 

といった感じでしょうか。

 

ジャンルは帯通りに受け取るならば『青春ミステリ』

ただ、これをそのまま受け取っていいものか、少しばかり疑問が残る作品でもあります。

 

 

これ、どういうスタンスで読めばいいの?

読んでいる最中、コレを掴むのにだいぶ手間取ったように思います。

なんというか、どの程度ファンタジー要素が有りなのか掴みにくい

今作(シリーズ?)で重要なポイントなのですが、階段島は魔女が支配しています

 

そう、魔女です。

 

凄くファンタジーな単語が出てきたわけだし、ファンタジー要素有なのか!?というとそんなこともなく、作中で描写される世界観は基本的に現実世界に準拠しています。(要するに、魔法だとか不思議エネルギーだとかそういったものが『無さそう』)

 

「だからなに?」

 

と言われてしまうかもしれませんが、この『考える前提となる要素』が曖昧な作品を『ミステリ』としてカテゴライズしてしまっていいのかなぁ……というのが正直な感想です。

『現実に則った推理をした結果、真実はファンタジーだった!』

では釈然としませんよね。

 

こればかりは勝手な言い方かもしれませんが、私は『ミステリ』というジャンルは『読者vs作者の推理ゲーム』だと思っています。

 

読者は作者が配置したヒントから情報を読み取り、事件の全貌を解き明かしたら勝ち。

作者はあらゆるテクニックを用いて読者を翻弄し、事件の全貌を解かせなければ勝ち。

 

『勝ち』というのはあくまで説明上のものです。

実際は勝ち負けなんて無粋なものはありませんが、ゲームである以上そこにはルールが存在します。

例えば、『結末を導くために必須のヒントを提示しない』なんてことをされてしまえば、読者は絶対にゲームに勝てなくなってしまいますよね。

仮に『読者があらかじめ事件の全貌を知っている(ネタバレしている)』なんてことになったら、そもそもゲームにもなりません。作者が用意した技巧も台無しです。

 

お互いがフェアであるからこそ、ミステリは成立する。

 

これが、私という無知無知糞ド素人の持論です。

そうして『本作がフェアであるか?』と考えた時、少しばかり首を傾げたくなってしまったのです。それは何故か?

 

前述の通り、『考える前提となる要素』が曖昧だからです。

 

先程のゲームの例に当てはめるならば、

 

『作者が提示したカードの真偽が不明』

 

ゲームの大前提が崩壊しているのです。

もちろん、『多数のカードを組み合わせることで、それぞれのカードの真偽が確定する』というテクニックもあるでしょう。ですが本作ではそういった技巧も見受けられませんでした。(あくまでド素人が読んだ範囲では、ですが)

結局、私がこの作品を読む際の視点の置き方を理解したのはほぼ結末部分でした。言うなれば

 

『ゲームが終了してからプレイ方法が分かった』

 

という感じ。逆を言えば、

 

「本作でプレイ方法が分かったので次作以降はもっとフェアな状態で読める!」

 

という事かも?

 

……カテゴライズの話だけでかなり尺を割いてしまいましたが、こればかりはどうしても腑に落ちなかった部分です。

 

 

文体

「沈黙は詩的」

今作で一番心に残ったフレーズかもしれません。

言葉に含まれた意味も簡潔。私のようなミニマムチンパンジーブレインでも覚えやすい文字数で、非常にコンパクト。キレイで印象に残るセリフだと思います。

こんな感じ、といっても分かりにくいかもしれませんが、

 

言い回しが分かりやすく、キレイ。

 

その巧さは一転して高校生である主人公の非現実感を強めている部分もありますが、主人公の設定を鑑みると、それも程良いスパイスになっている。

 

基本的に読みやすい作品でした。

 

世界観

なんども触れている通り、本作は謎の島『階段島』を舞台にした作品です。

学校、食堂、郵便局......etc.

生活に必要なものは揃っており、大きな事件・事故も無い、至って平凡な島なのですが、

 

作品に満ちるこの息苦しさはなんだ?

 

主人公のどこか冷めた視点(微妙にニュアンスが違うけど『ヤレヤレ系』に近い?)、どこかに欠陥を持つ島の住人(友人)達、出ることが出来ないという無力感。

あらゆる要素が噛み合い、なんとも言えない息苦しさを醸し出してします。

あらすじで『穏やかな停滞』という言葉を使いましたが、必要なものは全てあるのに何かが足りないという歪さが独自の世界観を創り上げている。

 

暖かな鳥籠の中で外に思いを馳せるけれど、満ち足りているならココで良いじゃないか。

 

それは自由か、不自由か。

それは自然か、不自然か。

 

わりと心がモヤっとする話が好きな、私好みの世界観でした。

 

 

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日付変更も近づいてきたことですし、名残惜しい(建前)ですがこのあたりで。

書くことが無くなった(本音)わけじゃないぞ!!

 

一応『青春ミステリ』というカテゴリーらしいので、作品の詳細は書きません。

まだ読んでいない方には出来る限りフェアな状態で読んでいただきたいですしね。

プレイスタイルは最後まで掴みにくかったですが、伏線もしっかり回収しますし、物語の破綻もなく、読後感は良好です

 

次作『この白さえ嘘だとしても』も手元にある事ですし、近いうちに続きを読みます。また感想文を書くと思いますが、その時はまたお付き合いいただければ幸いです。

 

さて、これで3日間連続記事更新も達成したわけですが……

ん……?なんか一冊あるぞ……?

 

ー最後まで読んでいただき、ありがとうございましたー

 

@なんだかんだ日付跨いじゃったぜ☆ わさび

片隅で感想文11:『君は月夜に光り輝く』

どうも。

特に言いたいこともない、わさびです。

 

さて、今日は3日間連続更新企画2日目

予定通り、

 

『君は月夜に光り輝く』

 

の感想文を書いてみます。

いつもだったら開幕の駄文を書き連ねるところですが……

 

 

ネタが無いよ!!

 

 

ということで、早速本題。

行くぞオラァッ!!

 

君は月夜に光り輝く

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           ↑受賞作にのみ許された金帯が眩い……。

 

はい、というわけで。

今回感想文を書くのは『君は月夜に光り輝く』です。

今作は第23回電撃小説大賞『大賞』受賞作であり、作者である佐野徹夜先生のデビュー作でもあります。

 

では、いつも通りあらすじから。

 

姉が亡くなってから無気力に生きている主人公・岡田卓也

高校に入学した卓也は、クラスメイトの中に入院中の少女が居ることを知る。

彼女の名前は渡良瀬まみず。『発光病』と呼ばれる不治の病に罹っていた。

ひょんなことから彼女の元へ見舞いに行くことになった卓也は、交流を深める中で『まみずが死ぬまでにしたいこと』を手伝うことを決める。

やがて訪れる死の瞬間を待つまみず。

生きる意味を見失いながらも生きる卓也。

瞬きのモラトリアムの中、2人は次第に惹かれあっていく。

 

……といった感じでしょうか。

 あらすじを見れば分かるかと思いますが、よくある難病モノです。

 

不治の病、恋愛

 

とくればおおよその結末は『奇跡が起きる!』or『悲劇』の二択なるわけですが、

 

『今作がどのような結末を迎えるのか』

 

というのはネタバレになりますので、いつも通り本記事では触れません。

あらかじめご了承ください。

 

発光病

 

 本作の設定で「良いなぁ……!」と思った要素の一つです。

ヒロインであるまみずはこの『発光病』を患っているため、入院生活を送っています。

 

『発光病』は本作独自の架空の病気。作中で治療法は確立されておらず、発症してしまうと致死率が高く、多くの場合は大人になる前に死を迎えてしまう

その名の通り皮膚が『発光』するようになるという特徴を持ち、月の光などを受けると肌が蛍光色の淡い光を放ち、症状の進行度合いによってその光は強さを増していく。

 

……というのがこの病気の設定なのですが、

 

非常に美しいです。

 

作中とはいえ、難病に対してこういった感想を持つのはなんだか不適切な気もしますが、本当に美しい。

ただ単に奇をてらった設定であれば「ふーん、すごいね」で終わってしまう所ですが、

 

画になる場面で、巧い事この設定を活かしている

 

という印象を受けました。

そういった意味では、昨日の記事で書かせてもらった『作者の作為』をひしひしと感じる設定ではあるのですが、これだけ巧く料理されてしまうとぐうの音も出ません。

この設定が効いているので重要なシーンが神秘的な趣を湛え、魅力的になっていたように思います。

天体観測のシーンはその最たるもので、巧いことまみずの境遇とリンクさせた描写になっていました。

 

……ちなみに、これはこの作品を読んで知った事なのですが、

 

現実世界でも、人体はホントに光っているらしいです。

 

もちろん、その発光現象は肉眼では観測出来ないほどに微力なモノなのですが……

(※詳しくはバイオフォトンでググってね!)

作中で『発光病』はこのバイオフォトンのバランスが崩れることで発症するという説明が為されていました。

 

物語の構成

 

コレに関しては、特筆するような部分は無いかもしれません。

緻密な伏線をばら撒いているわけでもないし、意外性に溢れた展開が起きるわけでもない。

良い意味で『順当』、言い方を変えると『テンプレ』

こういった難病モノの王道を歩む作品だったと思います。

 

こればっかりは個人の感覚の問題ですが、

 

正直、序盤を読むのは辛かった。

 

『話の内容がしんどいから辛い』というわけではなく、ただ単純に物語の整合性というか、展開の強引さが目立っていたような気がします。

またまたアレですが、『作者の作為』を感じました

なんというか、

 

「いやいや、そこまでしねぇだろ」

 

という場面が、とても多かった。

もちろん、主人公・卓也が抱えている内面を理解すると多少納得出来るような気はするのですが……うぅむ……。

そうして釈然としない部分に首を傾げていると、他作品のスラングまで飛び出してくるという状況で……。

序盤は相当読むのが辛かった印象。

 

まあ、前述の通り完全に個人の感覚の問題です。

あくまで『私は気になった』というレベルの話なのであしからず。

決してこの作品の魅力を損なうものではないです。

 

違和感を感じなくなった中盤以降は惹き込まれ、一気に読み進めてしまいました。

これも勝手な思い込みかもしれませんが、明らかに筆のノリが違う

それほどまでに中盤以降の描写は素晴らしかったです。

文体にクセが無く、非常に読みやすかったというのも、スッキリとした読み味に貢献しているように思います。

 

あとがき

 一応言っておきますが、私のあとがきではありません。

本作のあとがきについてです。

 

これを是非読んでいただきたい。

 

まあ、『作品を読んだ後であとがきを読まない』なんて人はまず居ないと思いますが、

 

本作に込められた想いの片鱗が、このあとがきに詰まっています。

 

……あとがきを読んだ限りでは、『中盤以降の筆のノリが違う』という感覚もあながち間違いでは無い気がします。

序盤はあくまで本質部分を描くための地均しであって、作者が本質の部分に向ける意識があまりにも強かったがために、序盤と中盤以降の温度差が目に付いてしまった……のかもしれません。

 

作者が作品にのせた想いを感じることが出来る、素敵なあとがきだったと思います。

 

「また、次の小説であなたと会えますように」(あとがきより抜粋)

 

こちらこそ。

また、お会い出来る日を楽しみにしています。

次回作も絶対に読みます。

 

 

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えー、というわけで……

案の定、雑な感想文になった感じは否めませんが、今回はこのあたりで。

 

『君は月夜に光り輝く』

 

大賞も納得の作品でした。オススメです!

 

そして明日は三日間連続更新企画の3日目。扱う作品は―

 

『いなくなれ、群青』

 

捨てられたモノたちが集うという、『階段島』。

穏やかな停滞に身を浸すその島の中で。

物語はどうしようもなく、彼女と出会った時から始まる―。

 

明日も更新頑張るぞい!

 

少しは期待してくれても……イイのよ!?

 

@今日は暑い、わさび